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落語「大阪こわい」

あるところに、大阪に住む男がいました。彼は普段から大阪弁を話し、そのせいで周りからは怖がられる存在でした。ある日、彼は大阪城に遊びに行くことになり、城の中を歩いていると、突然後ろから「こら、おいで」という声が聞こえました。

 

男は振り返ると、そこには堅い表情を浮かべた城の警備員が立っていました。警備員は男に向かって「お前、何者だ」と問い詰めます。男は深い大阪弁で答えます。「わしゃ大阪の人じゃ、なんか問題あるかい?」と言うと、警備員は若干ビクついた様子で「いや、何でもない」と答えました。

 

男はさらに城内を歩いていると、また別の警備員に声をかけられました。「おい、お前、どこから来たんだ」と聞かれると、男は「わしゃ大阪の生まれじゃ、なんか問題あるかい?」と答えます。警備員は少し怖そうな顔つきで、「いや、何でもない」と答えました。

 

男は警備員たちの言動に不審を感じ、城の外に出ようと思いました。しかし、門の前でまた別の警備員に声をかけられました。「おい、お前、何者だ」と聞かれると、男は「わしゃ大阪の男じゃ、なんか問題あるかい?」と答えます。すると、警備員は怒り出し、「ここは大阪じゃない!大阪の人間は入れない!」と叫びました。

 

男は驚きながらも、警備員たちが大阪の人間を怖がっていることに気づきました。そこで男は大胆な決断を下しました。彼は大阪弁をやめ、標準語で「すみません、私は大阪に住んでいる者です。今度からは標準語で話します」と言いました。

すると、警備員たちはびっくりした表情を浮かべ、「あ、あなたは大阪弁で話していたのですね。失礼しました」と謝罪しました。

 

男はこの出来事をきっかけに、自分が大阪弁を話すことが周りに与える影響を考えるようになりました。その後、男は大阪弁を使わずに普通に話すように心がけるようになり、それが彼にとって大きな変化をもたらしました。

 

以前は人々から怖がられていた男ですが、標準語を使うようになることで、人々から受ける印象が変わりました。周りからの反応も良くなり、人々とのコミュニケーションがスムーズになりました。

 

そして、ある日、男は再び大阪城に遊びに行くことになりました。しかし、今回は前回と違い、警備員たちから不審がられることもなく、普通に城内を散策することができました。

 

男は自分が大阪弁を話すことが、自分だけでなく周りの人々にも不快感を与えていたことを知り、反省しました。そして、大阪弁を使うことが必要な場面でも、周りの人々に不快感を与えないように話すように心がけるようになったのでした。

 

「大阪こわい」というタイトルで始まったこの落語は、実は大阪弁を話すことが周りに与える影響についての教訓を語る、大切なメッセージを含んでいました。