“うまこ”のカウンセリングルーム

カウンセリングと占いと。

乗ったことの記憶

今週のお題「乗ったことがある動物」

 

馬猿先生は、都心の小さなカウンセリングルームで悩みを抱えた人々を助けていた。ある日、中年の女性が訪れる。「私、何にも特技がないの。何か乗れる動物はありませんか?」彼女は目を輝かせて尋ねた。

 

馬猿先生は彼女をじっと見つめ、微笑んだ。「私の名前の由来にもなっている馬と猿、そのどちらにも乗ったことがあります。馬は外の広い世界を駆け抜ける感覚、猿は森の中の木々を飛び移る感覚。それぞれに特別な時間が流れていました。」

 

女性は驚いた。「でも、私は馬や猿に乗った経験はないわ…」

 

馬猿先生は優しく言った。「それは大切な経験です。しかし、重要なのは、あなたが自分の中でどのような感覚を大切にしたいか、どのような時間を過ごしたいかです。乗ったことがある動物は、ただのきっかけ。」

 

女性は目を細めて考え込んだ。「私も、自分の中の時間を見つけたい…」

 

馬猿先生の言葉は彼女の心に深く響いた。そして、彼女は自分の特別な時間を求めて旅を始めた。